![『アートを毎年億越え購入コレクター』](https://static.wixstatic.com/media/5f4e4cdc655b44d989da0a09b2b81aa3.jpg/v1/fill/w_450,h_300,al_c,q_80,usm_0.66_1.00_0.01,enc_avif,quality_auto/%E3%82%A2%E3%83%83%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%89%E5%86%99%E7%9C%9F_edited.jpg)
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アートコラムを始めるにあたって
アートについて書いてほしいと頼まれたとき、正直に言えば少々困惑した。というのも、アートに関する「知りたい情報」とは何か、具体的にわからなかったからだ。私自身、アートに囲まれて育った環境がある。祖父が近代美術や現代美術のコレクターであり、幼少期から国内外の作家に会う機会も多く、彼らの作品が美術館に飾られている姿を目の当たりにしてきた。それが当然のように思える日々だったので、私にとって「アートを知る」とは、いつの間にか始まっていたライフワークであり、どこから始まったかすら思い出せない。
だからこそ、「アートについて教えてほしい」と言われたとき、何を伝えればいいのか迷うのだ。しかし、最近アートに興味を持ち始めた人々の行動や言葉を観察してみた。彼らがどんな情報を欲しているのか、どこに関心があるのかを探ってみたのだ。すると、次の3つの点が浮かび上がってきた。
まず一つ目は、「注目の作家」についての関心。誰が今、アート界で話題になっているのか、どの作品が評価されているのかを知りたいという思いだ。これは、新しい作家を発掘する楽しさや、時代の流れを感じる喜びに通じる部分があるだろう。
次に、「投資対象としてのアートの価値」。アートはその美しさや感動だけでなく、経済的価値を持つことがある。どの作品が将来的に価値が上がるのか、あるいはどの作家が今後評価されるのかを知ることは、アートに対する見方を変える要素となる。
最後に、「アートから得られる付加価値」。これは、単に作品を所有すること以上のものだ。アートを持つことで得られるステータス、作家との繋がり、さらにはその作品が空間や生活に与える影響。この付加価値をどのように捉えるかが、アートに対する理解を深める鍵となる。
こうした3つのテーマを軸に、アートについて語っていこうと思う。ただ、先にお伝えしておくべきことがある。アートの世界には、絶対的な「正解」は存在しないのだ。あるとすれば、それは自分自身がその作品の中に見出す価値か、もしくは100年後にその作品がどのように評価されるかを知る方法を探すことぐらいである。
それでもなお、私の話が少しでも皆さんのアートに対する理解や楽しみ方を広げる手助けになれば幸いだ。ぜひ、ご笑覧いただければと思う。