私は37歳で不妊治療を始め、最初の3ヶ月で500万円を費やした。一般的には触れられにくい話題かもしれないが、この経験が誰かの知識となり、より多くの選択肢を持つ一助になればと考え情報を残すことにした。現在45歳、幸運にも子供を授かることができたが、不妊治療の世界は金銭や努力が必ずしも結果に結びつくわけではない複雑さがある。そのため私は自分の経験を冷静に振り返り、できる限り正直に、役立つ情報として発信していきたい。

このテーマについて語る際、私は一つの視点にとどまらず、治療の進展や医師のアドバイス、治療の途中で感じたことなど、多面的な視点から話をしていきたいと考えている。自身の体験を振り返りながら、治療の進行や選択肢、費用に対するリアルな実感、さらにはその先にある心の葛藤までを含め、多くの人にとって有用な情報や気づきを提供できればと願っている。

私はまた、「正解」としての子供を持つことに囚われる必要はないと感じている。LGBTQの友人が多く、それぞれの形で幸せを追求している姿を見てきたため、家族の形や生き方に正解はないということを強く実感している。養子縁組、パートナーシップの選択、また子供を持たない人生も含め、選択肢は多様であり、すべてが尊重されるべきだ。大切なのは、自身がどんな未来を選びたいのかを理解し、そのための手段を知っていることだと考えている。

このコラムでは、治療を始める前に知っておきたかったこと、後悔したこと、そしてパートナーに知っておいて欲しいこと、など、個人的なエピソードを交えつつ、読者が自分の選択肢を広げられるような内容を提供していきたい。もしこの文章を通じて、人生の一部で迷う人々が自分の選択に確信を持つための一助になればとても嬉しい。